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森林組合の合併

少々前の話ですが、
平成24年3月1日に「森林組合改革・林業事業体育成検討委員会」が開催されました。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/keiei/saisei/kaikaku_ikusei7.html

森林組合職員としては「森林組合改革」なんてタイトルの話を放っておけるはずもなく林野庁HPの資料を読んでみました。

平成22年からの森林・林業再生プランの流れなのですが、今回気になったのは、
資料「参考3-1」のP10あたり、『合併等の考え方』です。
ここには、1県1組合が推進されています。
兵庫県には19組合(2012.1.1現在)ありますが、これを1つに纏めるのは想像し難い。
せめて、加古川・揖保川・円山川の3流域ごとならあり得るか。
それでも管轄面積を考えると大合併です。

にしても、あり得ない話ではないと思うのは、そのときの森林組合の経営状態です。

森林組合の仕事は、間伐などの森林の整備です。が、
現在、森林の整備に費用を出してくれる山主は、残念ながらほとんどいません。
かといって、間伐材の販売で収益があげられる事業体は少ないのが現状。
切捨て間伐をおこない、国の補助を受けて山主の負担を無くして仕事をしているところも多いと思います。
もちろん、切捨て間伐も重要な保育作業の一環ですが、林野庁としては保育の時代は終り、利用の時代に入ったということなのでしょう。
ということで、昨年度から始まった森林環境保全整備事業では、間伐といえば集約化区域で5ha以上の木材の搬出が補助の要件になりました。切捨て間伐、除伐は25年生以下となっており、実質はほとんど0になるでしょう。
また、今年度から始まる森林経営計画制度では、林班の半分以上の森林の管理計画が必要となり、補助を受けるハードルがさらに上がりました。
そうなると、搬出間伐の経験の少なかったり、林業機械のない組合は相当の努力が必要になります。
頼みの公共事業も、員外の利用の厳格化が実施されれば、手を出しにくくなります。
さらに、資料「議事の概要」でも言われているように、
「森林組合の経営者(組合長等)として、経営能力の無い者が相変わらず選ばれているのが問題。名誉職では森林組合の経営の舵取りはできない時代になっている」

とうことで、
①材価・補助金に見合った搬出間伐ができない
②公共事業の依存度が高い
③経営者がまずい
の3拍子そろった森林組合はちょっと危ないかなぁと思います。

しかし、地域の森林を守る要(と勝手に思ってますが)の森林組合が潰れると、大切な森林の整備がままならなくなってしまいます。
林野庁も自分たちが確保した予算を都合よく使ってくれる(穿った見方をすれば)森林組合がいなくなると困ります。

ということで、うまくやってるところに合併させて、経営の効率化をはかり、日本の森林を再生させよう!

ということなのかぁと勝手に想像をし、丹波市森林組合は大丈夫ですが、
合併になったときにリストラされないように、真面目に仕事します。


上野@本所
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コメント

久しぶりに書き込みです。

 あなたなら、くびにはなりませんよ。大丈夫。
これからの森林組合を、良い方向に引っ張っていってくださいね。

 新制度になり、新たなスタートを一緒に取り組めなかったのが少し残念です。

Re: 久しぶりに書き込みです。

ひろさんへ

こんにちわ。
もう4月も終りですね~。
こちらは相変わらずですが、この相変わらず加減が不安でもあります。
まだまだいろいろ教えていただきたいことがあったのに、残念です。

クビになるかも知れないし、ならないかもしれませんが、
なんにせよ、いろいろと、準備をしておくにこしたことはないかなぁと思っています。

なんて言いつつも、自然エネルギー発電の林地残材の買取価格を見て、
林業界にプチバブル到来か!?などと淡い期待を抱いております。
どうなるんでしょうかね~。

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